電子の星

石田衣良の「池袋ウエストゲートパークⅣ 電子の星」を読む。

相変わらず、この話は面白い。

主人公真島誠の元に舞い込んでくる、または自分から首を突っ込む事件は、どれも一筋縄ではいかない。

それは色んな人間の過去や想い、今の事情が絡み合っているから。

マコトはそれを厄介だと思いながらも、仲間達の力を借りて解決していく。

ストリートの王様タカシ、純情なヤクザのサル、電子の神様ゼロワンなどなど。

マコトの仲間達もそうだが、登場人物全員が曲者ぞろい。

それがまた面白く、今の世の混沌さを表しているようにも思える。

今回俺が好きだったのはタイトルにもなっている「電子の星」。

ダメ人間ですらなかったテルが、負け犬になっていく様に何か熱くなる。

やはり、人の成長する姿を見るのは嬉しいものなのだと感じた。

他の三作「東口ラーメンライン」「ワルツ・フォー・ベビー」「黒フードの夜」も面白い。

マコトの一人称形式で読みやすいので、かなりお奨めの一冊。

ちなみに今回買ったのはハードカバーの奴。

表紙の女の子も可愛いし。

誰かと思えば「森絵梨佳」。響鬼に出てる子だった。